ひとりごと日記

ワタナベによる音楽関係のひとりごと。適当です。

Mr.Children田原健一「田原史その1:1992~1993田原さん頑張って期」

 
 

Mr.Childrenの28年を超える歴史の中、ギタリスト田原さんの音も常に変化してきた。

田原さんの音を追い続けたワタナベなりに、その歴史をまとめると大きく以下のように大別出来ると思う。

 

1:1992~1993 田原さん頑張って期

2:1994~1997 田原さん挑戦期

~ミスチル活動休止中:田原さん覚醒~

3:1998~2005 ロックギタリスト田原健一

4:2006~2012 田原さんコバタケの陰でいい仕事してる期

5:2013~現在 田原さん再び挑戦期

 

 

今回は、

1:1992~1993 田原さん頑張って期 について。

 

Everything

Everything

 

Kind Of Love

Kind Of Love

 

 

Versus

Versus

 

アルバムでいうと「Everything」「kind of love」「Versus」の頃。Mr.Childrenはデビュー直後で現在よりさわやかで若いな~って感じの歌詞・サウンド

サウンドがシンプルなので田原さんのギターがよく聞こえるが、なかなか田原さんのおいしいポイントが出きってない時期だと思う。

 

インディーズから出てきてキーボードのサポメンがついた直後なので、おそらくギターがまだそのバンドサウンドを想定していなかったり、慣れてないフレージングや音づくりになっている。とくに、音作りに関しては、現在の田原さん特有のアナログ的なあたたかみがまったく出ていない。それは、当時、レコーディングがアナログテープからデジタルに移行しつつあり、現在人気のレコード盤的なアナログの質感を求める...ではなく、デジタル的な音を皆が求めていた時代であったことが原因として挙げられると思う。「kind of love」ではギターすらアンプで音を出さずライン直で録ったりしているらしい。時代的に求められる音が違ったんだろうなあ。

「抱きしめたい」アルバム kind of love収録曲。アンプを通してないのでギターの音が固い気がする。

 

また、プレイの実力的に厳しかったのか、レコーディングのサポートギタリストとして小倉博和氏(福山雅治のサポメン等で有名)が参加していたり、リードギター的フレーズ(君がいた夏のイントロなど)を桜井さんが弾いていたりする。

 

こんな感じで、デビュー直後のミスチルの曲ではまだまだ完全なる田原サウンドは堪能できない。プレイ的にも、だいたい同じようなフレーズが多くバライティに欠ける感じがする。冒険してる感がない。まさに、田原さんもうちょい頑張って。。。!という感じ。

 

なんでだろう。以下、超個人的推測。

 

田原さんは、メジャーデビュー時からのミスチルのプロデューサー、小林武史氏におびえていたのではなかろうか。実際にメンバーは「小林さんは怖かった」と話していたし。

当時は小林武史氏がバンドの方向性や作曲について関わる範囲が大きかった。のちのインタビューでも「あの時はミスチルにOOを勉強させた、OOを経験させた」的な感じで話しているので、プロデューサーというか指導者的な立場にいたのだと思われる。小林氏はこのときすでにサザンや桑田佳祐ソロの編曲等で大成功し、大物プロデューサーであった。対するミスチルはデビューしたてほやほや、このころはなかなかブレイクしない時期でもあったため、全く頭が上がらなかったのではなかろうか。そんな中で田原さんも、挑戦的なギタープレイをすることに抵抗があったんだと思う。変なことして怒られたらどうしよう、てきな。

 

 

逃亡者

逃亡者

  • provided courtesy of iTunes

ちなみにこのころのミスチルの曲に「逃亡者」というのがある。なんと、

作詞作曲:小林武史、ボーカル:JEN(ミスチルのドラム)

である。今ではあり得ないが、桜井さんがほぼ関わっていない。というか、正直、演奏自体ミスチル関わっているのか怪しいと思う。打ち込みを主体としたリズム、サンプリングの多用、ラテン、レゲエっぽい演奏。前にも後にもミスチルには一切ないような要素しかない曲なのだ。

おそらくこの頃のミスチル小林武史の音楽の実験台も兼ねていたのだろう。それだけ当時のミスチルの音楽における小林氏の影響力は強かったのである。

 

ただし、この頃にも田原さんのナイスプレイは存在する。

「ロードアイミスユー(Everything収録)、「メインストリートに行こう(versus収録)」では、田原さんが今でも「ランニングハイ(I ♥ U収録)」「Marshmallow day[(an imitation) blood orange]収録)」等で多用するミドルテンポのカッティングが聞ける。ロックギター界ではなにかと高速カッティングがもてはやされがちであるが、田原さんのカッティングは切れ味がすごいあるわけではないものの、ミスチルの曲のポップさをあげる重要な要素になっているとおもわれる。

 

メインストリートに行こう

メインストリートに行こう

  • provided courtesy of iTunes
Marshmallow day

Marshmallow day

  • provided courtesy of iTunes

 

そんな感じで田原さんは、1994年から激動のミスチルブレイク期に突入するのであります。

次回、「1994~1997 田原さん挑戦期」。

 

この頃の名曲「Replay」。ポッキーのCMになったらしい。サビで聞こえるスライドギターは多分田原さんのものではない。サビ前の右Ch.のカッティングフレーズがすごくいい。